植物標本とは

 植物標本は一般にさく葉標本(押し葉)の形式がとられています。これは採集した植物を新聞紙に挟んでプレスした状態で乾燥させたもので、植物が生きていたときの立体的な形状や色は失われています。しかし、標本は何と言っても実物であり、実物が持つ情報量は、写真や図などの及ぶ所ではありません。

 通常、押し花標本というと、一般的には左下のカンサイタンポポのような植物全体あるいは枝や葉を含めた植物体の一部の標本がイメージされますが、ときにはバナナ(中央下)やスイカの輪切り(右下)ようなものも、さく葉標本として作製されることがあります。

 その標本が自然科学の研究資料となり得るためには、採集地、採集年月日、採集者などの情報が記入されたラベルが存在することが必須条件です。このラベルとさく葉標本を台紙にマウントすることにより、1枚の標本をファイルのように取り扱うことが可能となり、整理・保管を効率的に行うことができます。

 

カンサイタンポポ

バナナ

スイカの輪切り