顕微鏡画像(その2)コスト面の比較


 撮影装置(MC80DX)で撮影した画像をPhotoCD或いはフィルムスキャナー(LS-2000)でデジタル化した場合、またデジタルカメラ(HC2500, SVMicro)で直接デジタル画像として取り込んだ場合のデータベース作成に係わるコストを比較した。

顕微鏡画像デジタル化のコスト比較

顕微鏡は既に有るものとして、その他の初期投資概算と、撮影1枚当たりのランニングコストを算出した(表2−1)。

表2−1

内訳

デジタル化手法

PhotoCD

Film Scanner
LS2000

Digital Camera
HC2500

Digital Camera
SVMicro
初期投資

撮影装置
60万

撮影装置
60万
スキャナー
20万
CD-R
5万

カメラ
250万

CD-R
5万

カメラ
約40万

CD-R
5万

(但しパソコンは含まない)

撮影1枚辺りの
コスト

55

Film 1,000/36
Dev 1,000/36

55

Film 1,000/36
Dev 1,000/36

0

0

デジタイズの
コスト

130

13,000/100

0

0

0

記憶媒体のコスト

0

2

CD-R 200/ 100 images

2

CD-R 200/ 100 images

2

CD-R 200/ 100 images

積算コスト

データベースに画像を蓄積する過程で、初期投資とランニングコストを積算しグラフ化した(図2−1)。

図2−1

PhotoCD方式に付いては撮影フィルム全てをデジタル化する場合(PCD 1.0)、撮影フィルム2枚に1枚の割(PCD 0.5)、10枚に1枚の割(PCD 0.1)でデジタル化する場合をそれぞれ算出した。

フィルムスキャナ方式に付いても撮影フィルム全てをデジタル化する場合(FS 1.0)、撮影フィルム2枚に1枚の割(FS 0.5)、10枚に1枚の割(FS 0.1)でデジタル化する場合をそれぞれ算出した。

デジタルカメラ方式(HC2500, SV Micro)は、全て最初からデジタル化されているので、単一ラインである。

コストについての考察

PhotoCD方式は、既に顕微鏡撮影装置が備わっている場合は、画像数1000以下ならば最も安いコストでデジタル画像を得る方法である。しかし、コストは撮影データと使用データの比率に大きく影響される。10%以下の利用率でデジタル化した場合は、枚数に比例してコストが増大し、初期投資を無視しても3000画像を越えると100万円以上の積算コストになる。従って、小規模なデータベース化に向いている手法と言うことが出来る。フィルムスキャナーを用いた場合でも、同様にフィルム関係のコストの積算は急峻に上昇する。

デジタルカメラを用いた場合は、ランニングコストが非常に割安に成る。グラフで示されたように、デジタルカメラの初期投資が最も積算コストに響く。将来的にはデジタルカメラの価格の低下、性能の向上が期待されることから、今後画像データベース作成にはデジタルカメラの利用が促進すると考えられる。


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