古い文献を手に入れたきっかけ

1998年9月から半年間、イタリア、ナポリ臨海実験所にて半年間海産繊毛虫の分類データベースを作成する機会を得た。その時、多くの種の同定が日本では手に入りにくい古い文献に依存していることを発見した。幸い、当地が歴史の有る研究施設であったため、ほとんどの文献が図書館で入手可能であった。しかし、その仕事を日本に持ち帰るに当たって膨大なコピーをしなければいけないことに気づいた。

最新の文献情報の多くはデジタル化され、インターネットを通じて閲覧可能になりつつあるが、上記のような古い文献は未だに所有の図書館を探しだし、現地へ赴いて参照する以外に全体を閲覧する方法は無い。また、例え参照することが出来ても、コピーをするには相当の時間と労力を要する。従って、もしそれらの図書がインターネット上で何らかの形で閲覧することが出来るように成れば、研究効率を飛躍的に上げることが出来るはずである。

以上の様な背景で筆者はナポリ臨海実験所にて約3日間費やし1000頁に及び古い文献の複写を行い、その内容をデジタル画像データとしてインターネット上で閲覧可能な形態に変換することを試みた。


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