まとめ

今回、ナポリで複写してきた文献について、何名かの知人にコピーを依頼された。しかし、900頁以上有る文献をコピーする作業は時間的にも経済的にも何度も繰り返し行いたい作業とは言えない。そこで、簡単に複写できる手法としてデジタル化を思いついた次第である。更に、デジタル化した文献を自分のサーバーで公開すれば、コピーを依頼された知人にはアドレスだけをメールで伝えれば済むことになる。

そんないきさつから、古い文献のデジタル化を行うことになった。幸い、JST(科学技術振興事業団)との共同研究の最中でも有ったため、アルバイト費用などを調達することが出来た。

本計画で一番のネックは著作権問題である。未だに著作権だけは有効だが、手に入らない文献は山ほど有る。もし、著者が既に死亡している場合は、ほぼ絶望的かもしれない。しかし、もし著者が未だ健在で、且つ本活動に興味を示してくれるのであれば、今のうちに許可を得ることも一つの方法である。

この様な作業は、本来ならば図書館などで引き受けてくれたら大変ありがたい話である。しかし、政治活動によって大学を或いは国を動かして大きな事業とするほどのことでも無い。本ページを読まれて、自分でも同様の試みを行ってみようとする方が一人でも増え、結果として自分にも恩恵が返ってくることを望んでいる。

最後に、本作業は平成9年度科学技術振興調整費による 知的基盤整備推進制度採択課題 「生物系研究資材のデータベース化及びネットワークシステム構築のための基盤的研究開発」 (研究計画5年,1997-2001)の補助を受けて行った。


Copyright by Akira Kihara, Last changes: