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Mac Image Processing
for the Image Data of FUJI Imaging Plate


FUJI IP Reader で取り込んだ16bit 汎用画像フォーマット

FUJIのIP Reader で読み込んだ電顕画像は、1ピクセル辺り16ビット(2バイト)1536 x 2048 ピクセルの汎用イメージ(RAW Image)ファイルとして保存される。ここでは、そのデータの特徴について解説する。


16 bit 画像汎用画像フォーマット

汎用画像フォーマットは、画像を構成するピクセルの階調値を画面の左上から右側に向かって順番にバイナリーデータとして並べて記録する。
headder として、画像の大きさを記録する方式も有るが、原則的には画像の大きさやピクセル当りのバイト数はファイル内には記録されない場合が多い。

従って、汎用画像フォーマットを適切に扱うためには、それらの情報をあらかじめ調べておく必要がある。


FUJIのIP Reader で得られた電顕画像は1ピクセル当り2バイト(16 bit)、幅1536 pixel 高さ2048ピクセル、合計 6,291,456 byte(6Mバイト)の汎用画像データと成る。

1ピクセル当り2バイトのデータを有するグレー画像データでは理論的に65,536階調の濃淡を表現することが可能である。実際には、FUJIのIP Reader から得られたデータには0−3000程度の階調数のみが記録されていることから、12ビットでサンプリングしたデータを、便宜的に1ピクセル当り2バイトのデータとして記録している様である。

16 bit データの表示

マッキントッシュの画面上ではグレースケールとして256階調まで表示できが、16bit の階調数全てを表示することは不可能である。

PhotoShop では上記の濃度ヒストグラムに示されたように65,536階調に対して、その全範囲を256階調に再計算(リサンプリング)して画面に表示する。従って、主要な濃淡の階調領域は圧縮され、平坦な画像表示になる。PhotoShop のヒストグラム表示では、リサンプリングされた後の階調数が表示されるので、実際の階調値は表示された値の255倍から256倍の範囲が示されていると考えることが出来る。

有効階調領域の変更

12ビット(階調数0〜4096)がIP Reader のサンプリング限界とすれば、4096以上の階調値は必要ないことになる。
実質的には画像中での有効な階調領域は更に狭い領域に限定される。例えば、上記の濃度ヒストグラムで表されるデータでは最大階調値(最も明るい点の階調値)は2634、最小階調値は0、平均的階調値は2466、最頻(ピーク)階調値は2474、である。従って、2634 以上の明るい点は必要ない。

PhotoShop のAutoLevel (自動レベル)調節機能を使うと、実質的に使われていない階調値や、極端に間延びした明暗の両端を切り取っておおよその有効階調域の範囲内でリサンプリングを行うことが出来る(下図)。しかし、多くの場合これだけでは不十分な場合が多い。プレビュー画像を見ながら更なる濃度範囲の指定を行うことが必要に成る。但し、16ビットデータを256階調で表示している状態では、プレビューでリサンプリング結果を把握することが難しい。ステップ・バイ・ステップでリサンプリングを繰り返しながら、徐々に対象領域を狭めていく事をお勧めする。

ガンマ値の変更

以上の点を考慮して、実質的に有効な範囲が下図のように選択されたとしよう。


ここの領域での階調数は、依然として256階調を超えている。すなわち8ビットデータに変換しきれない、階調差が残されていることに成る。そこで、入出力曲線(ガンマカーブ)を利用して階調値をリサンプリングし、人間の眼に有った階調差を実現する事にする。


ガンマ曲線とは、入力の(ガンマ)乗を出力に対応させる曲線で、もともと人間の目の明暗の判定が入力光の光量(エネルギー)に対してリニアーでないことや、ブラウン管の特性などを補正するために取り入れられた、最も一般的な濃度変更関数である。例に挙げた式は256階調の入力をガンマ2.2で変換し256階調に出力する関数式である。

実際には、入力と出力の関係が逆転した表示も有り、例えばPhotoShopのレベル補正画面では同様の変換に対してガンマ値は2.2 の逆数、すなわち0.45 と表示される。

IP Reader で読み込まれた濃度差が電子線密度に比例すると考えると、その濃度値を人間の眼での濃淡の判定に生かすためには、適切なガンマ補正が必要であることは言うまでもない。また、このような曲線的な変換は桁落ちによって階調値の統合・脱落を起こし結果的に階調差の少ない硬調画像をもたらすことに成りかねないが、入力側の階調値に余裕が有る場合には、その影響を最小限に抑えることが出来る。

ガンマ値変換例

両端を設定した時点では、濃度ヒストグラムの両端に補正された濃度がピークを作っている。

ガンマ補正を行うと、桁落ちによるヒストグラムの中抜けができ、その部分がグラフ上では赤い領域として表示されている。

256階調にリサンプリングすると、中抜けが圧縮される。



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