東京都立大学牧野標本館所蔵

タイプ標本データベース(CD-ROM版)

2001年1月


概   要

 日本の植物分類学の草分けともいえる故牧野富太郎博士(1862〜1957、名誉都民)が収集された植物標本約40万点が、同博士の没後、昭和33年(1958)に本学に寄贈されました。同博士が、”新種”として発表された植物の基準標本(タイプ標本)の一部を含み、日本のほぼ全域をカバーする標本で、明治時代の東京都内の植生の証拠としても貴重な標本です。

 東京都立大学では牧野博士の業績を永く記念し、また研究資料としてその標本を活用するため、理学部に「牧野標本館」を設置して整理と保管に当たってきました。また昭和57年(1982)には植物系統分類学講座を発足させ、大学院学生の指導など研究・教育活動を進める一方、日本の代表的な標本館の一つとして植物分類学の研究資料センターの役割を果たしています。

 生物多様性の情報センターとしての標本館の価値が改めて見直されるようになった現在、標本館を公開し、多方面からの利用者が活用できるようにすることが急務とされています。当標本館は学術標本をディジタル化・データベース化してネットワークを介して情報発信する計画を進めてきました。1997 年からは総合研究大学院大学共同研究「生物形態資料画像データベースの構築」に参加しサーバー等のサポートを受けることができました。その結果として、1999年6月、当標本館所蔵標本のデータベースの第一段階として、基準標本(タイプ標本)の画像データベースをネットワークを通じて世界に公開するに至りました(牧野標本館サーバー)。

 本データベースは、2000年12月時点でネットワーク上で公開されているデータ、タイプ標本記載データ(743点)とその画像(1962枚)をCD−ROMバージョンとして新たにレイアウトしたものです。