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ナポリのクリスマス

11月下旬くらいから、街にはクリスマスの雰囲気が盛り上がり始める。12月8日の祭日(マリア様が天から降りてくる日らしい)を境に、正式なクリスマス期間が始まり、12月26日の祭日(聖ステファノの日)まで続く事になる。

プレゼーペ

プレゼーペとは、イエス・キリストの誕生の情景を人形で模したジオラマのこと。クリスマスシーズンになると、各家庭ではご自慢のプレゼーペを飾る。毎年パーツを買い足して、徐々に成長して行くようである。
(右は、パラッツォ・レアーレで展示されている巨大プレゼーペの一部)

ナポリチェントロのサン・グレゴリオ通りは、プレゼーペのパーツを売る店が並び、イタリアでも有名な観光地だ。特にクリスマス期間は、多くの露店が並び、賑わっている。今回の滞在で判った事は、チェントロに留まらず、ナポリの街の至るところでプレゼーペ用品の露店が開かれている点だ。近所のショッピングモール(ガレリア)や、公園、等々である。

サン・グレゴリオ通りに並ぶ露店
(2006年12月7日)
コミュナーレ公園のフリーマケットのテントでは、小型の出来合いが売られていた。
(2006年12月3日)
近所の公園に並ぶ露店では、家族連れが真剣にパーツの選択をしている。

飾り付け(イルミネーション)

話しによると、昨年の街中のイルミネーションは自粛されたらしい。ナポリは、電気代やガス代が他の都市よりも高く、更にナポリ市の財政難は慢性化し、イルミネーションどころでは無いと言うのが実情らしい。実際、電気代未払い問題で、道路の信号が1週間ほど消えている。(信号が消えていても、何故か大きな問題に成らない点がナポリ的である)しかし、今年は11月27日あたりから駅や商店街のイルミネーションが始まった。12月に入って、個人商店のイルミネーションも加わり、おかげで4時半には暗くなり始めるこの時期でも、比較的安心して帰宅できるようになった。

フニクラーレ・キアイア線駅
(2006年11月27日)
チェントロ地区。
(2006年12月7日)
キアイア地区
(2006年12月10日)

食料品

ナポリでは、12月24日の晩と、25日の昼食が特別メニューらしい。24日の夕食は魚中心のメニューで、スパゲッティー・ボンゴレと焼き魚、又はウナギのスープ。25日も、魚を食べるが、鳥の丸焼きも食べる。クリスマスが近くなると、特に魚屋は活気づく。(しかし、よく考えてみると魚は24日に買わないと持たない?)

・クリスマスメニュー

結局、23日の時点で購入して、24日に備えることとした。この日は、魚屋は待ち人が多く、時間がかかる。いつも行くお兄さんが商う魚屋も、お手伝いのご両親(?)も現れて大わらわ。更に、小生が買おうとすると、応対しようとしたお母さんを差し止めて「オレがやる」と言って更に待つ事になった。でも、さすがに常連価格!ボンゴレ1K12ユーロ(それでも標準より安いのだが)を10ユーロ。1K24ユーロの天然物の鯛(養殖物はその半額)を20ユーロにまけてくれた。更に、合計額を30ユーロから25ユーロに割引してくれて、なんだかとっても良い買い物ができた。明日は、彼にチョコレートを送る事とした。

いつも行く魚屋さん
(2006年7月30日)
 別の魚屋さん
ここでは生きたシャコが買える。
(2006年12月16日)
スーパーで見つけた生ハムのかたまり(ブタの足一本分)
(2006年12月17日)

・生ハム

クリスマス時期は、数日商店が閉まる事も有って、保存食の販売も盛んのようだ。スーパーで生ハムの山を見つけて驚いた。丁度、日本の新巻き鮭のようだ。きっと、ご主人が自慢のナイフで肉をこそぎ取るのだろう。1本80ユーロ(約1万2千円)くらいだ。もちろん、こんなものを二人で食べきる事はできないので、買わなかった。その他、丸ごと煮た豚足や、おつまみのナッツ類も売られている。保存食のシーズンと言う訳だ。八百屋さんも、店の面積を道路に拡張して、野菜を売っている。こちらでは、煮た野菜を数日かけて食べる事が多いので、煮野菜用の青菜が多く売られている。

・パネトーネ・パンドーロ

クリスマスシーズンになると、その他の食料品の販売も活気づく。特に、嬉しいのは大好物のパンドーロがスーパーに山積みにされる事だ。パネトーネとパンドーロは、こちらのクリスマスシーズン特有の甘いスポンジケーキで、パネトーネにはレーズンと乾燥オレンジが入る。

・チョコレート

この時期は、お呼ばれも多くなり、更に大宅さんや友人にクリスマスプレゼントを配る習慣も有って、特にチョコレート屋は混み合う。我が家の近くの有名なチョコレート屋では、番号札をとって順番を待つ状態であった。チョコの価格は、折り詰めで1Kおおよそ25ユーロ(3,800円)。

贈答用チョコ
(2006年12月9日)
 山積みされたパンドーロ
(2006年11月25日)
八百屋の店舗が道路まで拡張された
(2006年12月23日)

クリスマス狂乱

クリスマスシーズンに入ると、普段は閉まっている日曜日も、殆ど全ての商店が店を開くようになる。小生の住む、ボメロ地区はややリッチなショッピング地帯なので、道路は大渋滞が続く。噂によると、イタリアでも、一月分のボーナスが出ているらしい。結果とした、他の先進国同様、ショッピング、ショッピングとクリスマス狂乱が始まる。

実験所にもツリーが置かれた
(2006年12月7日)
 近所のバールも贈り物の山
(2006年12月20日)
クリスマスショッピングで賑わうボメロ地区
(2006年12月24日)

せめて、「聖夜」くらいは静かになってもらいたいものだ。日本も、最近は大晦日の夜にばか騒ぎをしたり、テレビもそれに合わせて、バカ番組の連発だが、いろいろな意味でカレンダーの区切りとなるこの時期くらい、じっくり自分を見直せる静かな時間が欲しい物だとつくづく思うのである。

こちらの国民放送で、バチカンのミサと新年のウィーンのコンサートを見る事になりそうだ。

(2006年12月23日)