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アパート冬支度ナポリの冬は寒い。というと、確かナポリは地中海性気候では?と聴かれるが、実際冬はそれなりに寒い。しかし、もっと寒いのは家の中である。何故かと言うと、ナポリ人は殆ど暖房を使わない。集合住宅では、スチーム暖房が1日約3〜4時間に制限され、その時間帯も多くの場合夕方5〜8時である。朝は暖房が付かない家が多いのだ。表向きの理由は、「イタリアはエネルギーが少ない」という事になっている。事実、法律では11月15日までは暖房を使ってはいけないそうだ。しかし、街の信号すら守らず、税金をキチンと納める習慣すらないナポリ人が、この時だけ法律や国の事情を持ち出すのは、どうも腑に落ちない。いろいろな同僚に暖房の話を聴きながら、どうやら主たる原因は、光熱費の高さと、その請求法に或る事が判ってきた。 11月3日寒波到来!10月下旬は、初夏を思わせる蒸し暑い気候だったが、月末に雨が降り続き、それが晴れるととうとう寒波が到来した。基本的には、アフリカからの高気圧(日本で言えば太平洋高気圧って感じだ)が張り出している時は、空気は湿気を帯びて暖かい。シベリアからの高気圧が降りてくると逆に、乾燥して寒くなる。その中間の位置する低気圧が動いて、冬と初夏の陽気の一進一退が繰り返される。今回は、数日では有るようだが、シベリアの高気圧が押し寄せた様だ。左の図は11月4日からの週間予報だ。最低気温2度は、ナポリの真冬を意味している。 こんな真冬なのに暖房を使わないと言うのは、非合理的だ。という事で、街中を歩いてみると、今まで見かけなかった毛布・布団・電気ストーブが盛んに売られている。その時まで準備をしないナポリ市民は慌てて冬支度を始めている。着ているものも、革コートやダウンジャケットばかりだ。しかし、電気ストーブが売られていると言う事は、スチーム暖房は実際に使われていないようだ。 個別暖房の経費幸い、小生宅は自宅のガス給湯器で暖房もまかなっている。従って、スイッチさえ入れれば暖房がONになる。しかし、入居時に大宅さんに、あんまり使うと後で大変な請求が来ると脅かされている。 そこで、先ずは、家の暖房経費を節約する(つまり、エネルギーの少ないイタリア国家に貢献する)ために、家の模様替えを行った。120平米の家は広過ぎるので、巨大な応接間と、北側のベッドルームの使用を停止して、暖房機のバルブを閉じた。その結果、小さな応接間と、小さなベッドルームで合計80平米ほどの家に縮小する事ができる(右図参照)。高い家賃払っているのに、バカな話しなのだが...
1日約4時間暖房して、30日で約75ユーロ(日本円で約11,000円)となる。6時間暖房したとしても、せいぜい110ユーロ(日本円で16,000円程度)。これは、小生が日本で1〜2月に請求されるガス代と大して変わらない。確かに、高い事は高いが、無茶な金額とは思えない。 ただ、イタリアではガス代の請求が年4回に集中しているので、冬期の3ヶ月分がまとめて来ると300ユーロを越す請求額になる。どうやら、ナポリの人はこれを恐れているようだ。もともと、まとめて先払いや後払いをする事が極めて嫌い人々の様だ。 実は、このアパートに入居した時に、いきなりガス代を250ユーロ取られてびっくりしたのだが、どうやら小生たちが済み始める前の居住者の暖房費だったようだ。もちろん、この不当な請求については、大宅さんと後日相殺する事を約束している。 今後の暖房プラン取り合えず、来週から再び秋の陽気に戻るようなので、暖房を使う事はあまり無さそうだが、一応小生もナポリ人に従って1日4時間程度の利用で何とか過ごしてみようかと思っている。8年前は、集中暖房アパートの11階で、ようやくスチームが届いたかと思うとすぐに止まってしまい、1日1時間も暖房が得られなかったが、今回は少しは効率的な暖房計画を立てられそうだ。 いずれにしても、ナポリの冬は当面寒そうだ... (2,006年1月4日) |