標本撮影セット
データベース作成作業では、その対象数が多いので様々なシチュエーションで「作業効率」が完成の鍵と成ってくる。本データベース最大の売りは、「バーチャルリアリティー画像」を各標本について撮影する事である。そこで、あらかじめ日本でシミュレーションを行いながら、効率的な撮影環境をつくるための様々なツールを用意してきた。
関税と受け取り期限
3月26日にフェデックスで30kの撮影セットを発送、3月28日にイタリアからのメールで、税関に届いたとの連絡が入る。さすがに8万円の送料を支払っただけの価値は有った、..と思った。しかし、残念ながらここはイタリア、しかもナポリ!そう簡単には話しは進まなかった。先ず関税として約2000ユーロ請求され、それを誰が支払うか、それが判明しないならば送り返すと言う話しになった。また、8万円かけて日本に戻って、更にその時には既に日本を出発しているかもしれない!とにかく関税はこちらで持つから、建て替え払いをして欲しい、と言う連絡を入れて日本を旅立った。
関税に関わる書類のやり取り、その間にパスポートのコピーを送ったり、等々、結局荷物は4月の20日に届く事になる。さて、開けようかと思ったら未だ開けられない!税関の人間が立ち会うそうな...それから更に1週間ほど塩漬けで、5月28日に何故か関税の人間無しで開封可能となった。何だか判らないけど、結局フェデックス8万円で1ヶ月かかった事になる。別にフェデックスが悪いわけでなく、「ナポリ的!」って思うしか無い。しかし、関税の請求は何時どんな形でくるんだろう?
ちなみに、趣味用に小型包装物で送ったデジタル一眼セット2点は、なんの手続きも無く、到着時点で届いていた。おかげで、趣味の野草写真だけは撮れていました。
撮影セット
撮影セットは、エツミのデジカメ用撮影スタジオL、電動ターンテーブル、ストロボ3台、ストロボ用小型三脚、カメラ台、パソコン2台、充電乾電池、充電器、NIKON D2H(2台)、レンズ3本(70~180mm ズームマクロ、50mmマクロ、24~120m ズーム)等々である。金額にして200万円は下らないと思われる。
このセットを開けてテーブルに並べたら、アンドレア君は思わず「ミッション・インポッシブル!」って言っていた。確かに、機材としてはちょっと特殊である。
これを組み立てた結果が下の写真の通り。ストロボがデジカメストロボに自動的に応答するので、デジカメスタジオ内がかなり明るく写っている。このスタジオ内で、標本のいわゆる「ブツ写真」を撮ることになる。まず、ガラスの反射を抑え、かつ標本が均一に照明できる角度を見いだしてから撮影に入る。
回転台
電動ターンテーブルは特注品で、カメラのストロボ出力をトリガーに、指定した角度(ここでは10度)回転する。もともと、VRオブジェクトを撮影するために売られているターンテーブルは、作業時間を短縮するために勢いよく回転するようだか、それだと水に浸かった標本が踊ってしまって、安定しない回転画像になってしまう。この特注ターンテーブルの場合は、秒速2度、10度回転するのに約5秒かかるように設定した。カメラ側のインターバルタイマーを6秒に設定しておくと、撮影から約0.2秒後に回転を開始、5秒後に停止、停止後0.8秒後に再び撮影。結果として1回360度転撮影するのに約4分かかる。
作業効率
アンドレア君が、脇で標本の整備作業を平行してく行ってくれるので、大体1日に20〜30標本の撮影ができそうだ。ストロボの電池は、15標本くらいで無くなり、カメラの電池は、40標本くらいで無くなる。こちらで、充電単三電池と充電器を買い増しして、連続的に撮影を続けられる環境ができ上がった。データ量は、一日1〜2Gbになるので、今後はデータバックアップの時間も考慮する必要ありそうだ。
サンプルデータ
以下が、撮り始めのサンプル画像。QuickTimeが無い場合はJavaで動くように設定してみた。
画像の上でドラッグすると、標本が回転します。(下のJava版はQuickTimeが有ってもJavaで表示しています。
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