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○散歩の足 |
フニクラーレのすれ違いとにかく、ナポリのボーメロ(丘)の上に住む身としては、フニクラーレは便利な乗り物だ。更に、乗っていてこれほど楽しい乗り物も無い。待ち時間はジェットコースターの待ち時間のようだし、どの線に乗っても動き出すと5分もしない内に到着してしまうのである。おかげで「鉄道員」(?)も、いつもヒマを持て余しているようだ。 1.単線のすれ違いそもそも、フニクラーレの原理は、シーソーのように2台の客車が頂点を視点として一本のケーブルで結ばれている点に有る。従って、一台の客車をケーブルで持ち上げるよりは遥かに小さい負荷でお互いを持ち上げる事が出来るわけだ。ただ、多くの場合急な傾斜地に作られるために、2台の客車を複線で走らせる余裕は無い。そこで、中間点ですれ違いのための複線区間を作る。その複線区間で、ちょうどすれ違うおかげで、単線で2つの双方向の運行が可能となる。すれ違いの様子を見て頂ければ、一目でその原理が判るはずだ。夏休み期間の空いている時に、子供のように運転席にへばりついて撮影を試みた。 御用とお急ぎでない方は、画像をクリックして拡大動画も見て欲しい。(見るまでも無い事なのだが、撮影の苦労が報われるので...) 2.途中駅2つの車両が同時運行していると言う事は、途中駅は対称型に配置され、2つの車両が同時に止まる必要が有る。キアイアイ線とチェントラーレ線は、途中2つの駅が対称に配置されている。それぞれ、下から1番目の駅が、交通量の多いコルソ・ビットリオ・エマニュエーレ通りにつながるため、どちらの上側の駅も、あまり便利とは言えない場所に出来ているが、対称型を破るわけには行かない。ところが、キアイア線だけは非対称の3つの駅を配置しているため、途中1回駅の無い場所で停止してしまう。恐らく、下の駅をコルソ・ビットリオ・エマニュエーレ通りに併せた結果、上の停車箇所は、恐らくサン・エルモ城の真下辺りに位置してしまったに違いない。 チェントラーレ線では、「Diretto」と呼ばれるノンストップ快速運転が30分おきに行なわれている。この場合は、上下それぞれの方向の運行が、同時に快速運転に成る。原理さえ知っていれば当たり前の事だが... 3.迂回路そろそろ、防災の日も近づいた事だし、ナポリもベスビオ火山がもたらす地震でも有名な土地である。帰宅困難者に成った場合の帰宅路を探しておいた方が良いだろう。と言う事で、フニクラーレに沿って降りて行く事にした。(昇のはいざと言う時だけで十分だ!)せっかくなので、画像は下から上った気分で配置してみた。バーチャルな世界って楽しい! 4.結論やはり、フニクラーレは偉い!歩いて降りてはフニクラーレで登ると言う散歩パターンがだんだん確立されてきた感じなので、これからも遠慮無くお世話になることとしよう。 |