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ローマの休日

6月2・3日、ローマ1泊旅行に行ってきた。イタリアの共和国記念日(2日)利用して金曜からの一泊二日の旅である。ローマは既に二回ほど訪問した事が有るので、今回はダン・ブラウン著の「天使と悪魔」の舞台となった以下の4つの地点を見学テーマとして設定した。

1.土:Sant Maria del Popolo(ポポロ教会)内のChigi(キージ)礼拝堂
(ラファエロによって設計され、後にベルリーニによって改修されている)

2.空気:San Pietro のobeliskの近くに埋められているベルリーニデザインの渦巻き模様のタイル

3.火:Sant Maria della Vittoria(ヴィットリア教会)のセントテレサの光悦像(ベルリーニの作品)

4.水:Navona広場の四大大河の噴水(ベルリーニの作品)

教会の種類

ローマには、実に様々な教会が有るが、歴史的な特徴によって古代の寺院・初期キリスト教会・ルネッサンス教会・バロック教会に大別できる。今回の一泊二日の旅では、合計10箇所の教会を見た事に成るが、大別すると以下の通りである。(なお、ほとんどの教会内はフラッシュさえ使わなければ撮影は自由である。デジカメを手に撮影する観光客は実に多い)

古代の寺院
パンテオン

パンテオンで大雨になり、雨宿りした。この時、パンテオンの大きな軒先に初めて気づいた。


初期キリスト教会
サンタ・マリア・マッジョーレ

内部にベルリーニの墓が有った(写真上)

以前から気になっていた1ドル紙幣に印刷されているピラミッドの目のシンボル。ダン・ブラウンの別の小説では、米国内の特殊な団体のシンボルと書かれているが、ダン・ブラウン嫌いの友人に聞いた所、神の目を現しているとの事。(写真中)

サンタ・プレセード

内部は確かに古い感じがする(写真下)

サン・ジョバンニ・ラテラー(写真無し)


ルネッサンス教会
サン・ピエトロ
サンタ・マリア・デリ・アンジェリ
サンタ・マリア・デル・ポポロ
サン・ルイジ・デイ・フランチージ
サンタ・アゴスティーヌ

ここは通好みの教会らしい..ラファエロ、ベルリーニ、カラバッチョ、とルネッサンスのオールスター出演の教会である。右の写真はカラバッチョの作品

バロック教会
サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア

バロック的と言われる様に、内装は贅の限りを尽くしている感じだ。

散歩のルート

実は、上さんの友人がローマの観光ガイドのライセンスを持っているので、彼女について回ってしまった結果、ほとんどルートを把握していない。大体、ローマの網の目のように入り組んだ道・バス路線を地図を頼りに効率良く回ろうなんて無理な計画なのだ。事実、二日目の午前中に自分で回ってみようとしたら、地下鉄を使ってたった一つの教会を見るだけで2時間以上の時間を費やしてしまった!もしローマを「効率良く」見たいのなら、プロに依頼するのが正統派である。そのために、ライセンス制度が有る。「地球の歩き方」を片手にうろうろしたあげく、「あの〜、日本の方ですか?ここは、この地図の何処でしょか?」なんて聴くやからに出会ったが、まあ、そんな方には「自力で解決する事を楽しみたいのなら、人に頼りなさんな」って言ってあげたかった。でも、「判りません!」と答えておいた。地図ぐらい、駅で買ってくれば良いのにネ。日本語の地図も売っています。

サン・ピエトロのリベンジ

サン・ピエトロに入るためには、それなりの行列に並ぶ必要が有る。8年前に、実は20分ほど並んで、入る直前にショートパンツでの入場ができない事が判明し、断念した場所である。

最近は、入場待ちの列がより長くなる傾向に有るようで、午後5時過ぎに列に着いたにも関わらず45分待ちであった。6時に閉まる事を考えると、厳しいタイミングだった。しかし、翌日テルミニ駅から地下鉄に乗ろうとしたら、今度は地下鉄のホームが満杯で入場規制されてる状態。前日、無理してサン・ピエトロを見ておいて良かった!「行ける時に行かなければ、観光はできない」と言うプロのお言葉の重みが判った次第である。

写真とほぼ同一のアングルで描かれた絵画(写真下:ロスアンゼルス・ノートンサイモン美術館にて撮影)をずいぶん昔から見ていて、果たして人の大きさと建物の大きさに「デフォルメ」が無いのかどうか、確かめたかった。デジカメのおかげで、解決への道が近づいた。この絵画は、カナレットほぼ同時代にカメラ・オブスキュラを使って描かれたと思われる。どうやら、私の28ミリレンズよりは広角レンズを使ったようだ。(実際には、複数の角度から見た絵を合成したと考えられる)人の大きさがわざと小さく描かれていると思っていたのだが、想像以上に教会の建物が大きく、かなり事実に忠実に描写されている事が判ってきた。

ダン・ブラウン効果?

観光ガイドの友人が、最近ダン・ブラウンの「小説」を本当だと思い込んで、「あれは、本当はマグダラのマリアなんだ」なんてまじめに言うので、扱い難くなった!と嘆いていた。

実は、小生も密かに「ダン・ブラウン」ファンなので、耳の痛い話しであった。ナボナ広場の噴水を実際に見てみたら、確かに「天使と悪魔」に書かれている噴水内での格闘シーンにはかなり無理が有る事が判った。「小説」を「小説」として楽しむ事は良いのだが、実際に話しのスジを思い出しながら、現地確認をすると、どの程度「ほんと」なのかの想像がつく。

観光ガイドブックの使い方

観光ガイドは、観光後に読むと実に親切に解説されていて「復習」できるタイプと、「あっ!あそこも行っていない!損した」と思わせるタイプに大別できるようだ。後者のような本は、それを予習に使って「忠実に」実行しようとすると、恐らく疲れ果てて、自分の感性を本に全て抜き取られてしまうのでは無いか?むしろ、復習型の観光ガイドの方が、後で読んで楽しめる。そう言った点ではDorling Kindersley社のEywitness Travel Guidesシリーズは前者に相当するガイド本で、旅行を記に自分の教養を高めたいと言う方にはお勧めの本である。イタリア語版はこちらでは大変ポピュラーなのだが、なぜか日本語版が無いのが残念である。その一方で、「地球の歩き方」は韓国でも大好評の様で、ハングルで書かれた地球の歩き方を手にした観光客をよく見かける。観光に対する意識の違いなのかも知れない。

博物館

基本的に博物館は一日一つ以上見てはいけないと、自分で決めている。理由は、消化不良を起こすとせっかく高い入場料を払った甲斐が無いと思うからである。博物館では、できるだけ自分の感性を敏感に保ちたいが、余り沢山見ると全て同じに思えてくる。もちろん、もしプロのガイドを伴う事ができれば、キチンと知識を整理してくれるので、感性の幅は広がるはずである。

と言う事で、今回はバルベリーニ宮殿にある、国立絵画美術館を帰り際に見てきた。8年前に見た時は、もっと強烈な印象が有ったのだが、既に観光疲れで感性が失われていたのか、以前ほどの感動は得られなかった。改修中で、見たかった絵も展示されていなかった。

交通

ナポリ−ローマ間は、昨年12月以降新しい高速鉄道が敷かれて、75分程度で移動できるらしい。ナポリの旅行代理店で依頼した切符は、最初は高速鉄道だと思っていたのだが、在来線の特急(ユーロスター、写真の車両)であった。ナポリ発でローマ、フィレンツェ経由、ミラノ行きである。ローマまではノンストップで105分、料金は片道22ユーロ。座席は指定だし、ノンストップだし、時間的には30分余計にかかるが、隣に座ったナポリのカップルと話している内にローマに着いてしまった。ナポリ人の辞書には「沈黙」と言う言葉は無いらしい...車両の顔は秋田新幹線「こまち」みたいで、かわいい。
ローマのバス路線図はhttp://www.atac.roma.it/linee/index.asp?i=6&p=1
からダウンロードできる。

結論

いちいち旅行をする度に「結論」が出るようなら、人生それほど苦労しない。ただ、今回の訪問では、少し精神的な余裕も有ったせいか、ローマの歴史に興味が湧いてきた。きっと、もう一回ぐらい行くだろうから、それまでにもう少しテーマを絞った観光ができるようにしておこう。