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カポディモンテ美術館


ナポリ地区では最大規模の美術館。恐らく、フィレンツェのウフィッツィに匹敵するか、或いはそれ以上の床面積と展示数だろう。5月まではティッチアーノ展が開催され、賑わっていた。既に、8年前に訪れた事が有るので、なかなか美術館へ脚を運ばなかった。9月に入って精神的な余裕も出てきたので、天気の良い日曜日に行ってきた。

入場料無料

9月24日は月の最後の日曜日。そのためなのか(?)、無料公開日だった。実は、9月に入ってナポリの博物館は軒並み入場料の値上げをした。カポディモンテ美術館も6ユーロから8ユーロに値上げされているので、この無料公開日制度は、なかなか有り難い。実は、今回はカメラ撮影をいっさい行っていない。内部の格調高い雰囲気に圧倒されて、更に無料入場と言う気後れもあって、美術品以外で撮影可能な場面でも撮影は行わなかった。

所蔵品

2階(日本の感覚では3階)から見学を始める。2階は、主としてナポリ絵画部門である。大型の絨毯絵画などが飾られている部屋を抜けて、西側に回り込むと、何気なく10点ほどのカラバッジョの作品が並ぶ部屋に出る。カラバッジョが、ナポリに約2年滞在して残した作品のようだ。どの様な経緯でカラバッジョがナポリに滞在したかについては、「カラバッジョの生涯」に詳しく紹介されている。

2階の南端から東側に回り込むと、ルカ・ジョルダーノの作品が並ぶ大部屋に入る。実はルカ・ジョルダーノの名前は、近所の通りの名前として認識していた。その通りの最後がデリ・アーティスト広場(芸術家が大勢いる広場)なので、芸術家の名前である事が分かり、すっきりした次第である。さて、とは言え単なるナポリのローカル芸術家がここまで大きな展示スペースを与えられるとも思えないので、更に調べてみるとJSTOR(学術文献保存機関)サイトに
Drawings by Luca Giordano in the British Museum
Oreste Ferrari
Burlington Magazine, Vol. 108, No. 759 (Jun., 1966), pp. 298-307
と言う文献が紹介されていて、17世紀ナポリ出身の著名な画家の一人のようである。とにかく絵画を見たいと言う方は、こちらのサイト(英語版だが絵だけは見られます)を見て頂きたい。(ナポリ画派についてのメモ

2階からは3階(と言うか、天井桟敷のような構造)へ上る階段が有って、そこには19世紀後期以降の近代ナポリ絵画が展示されている。決して広くないスペースだが、ナポリ的な印象派等の絵画が見られる。ベスビオを背景に描画された蒸気機関車の絵など気に入った。

1階(日本的には2階)に降りると、本美術館のハイライトでも、ティッチアーノやラファエロの作品が並ぶ大部屋に入る。更に、その部屋を抜けると、フィレンツェでお世話になったボティッチェリ等の作品が並んでいる。更に、南側に至ると、ルーベンスの絵が数点並んでいた。1階の東サイドは、離宮の内装を留めた居室の装飾の展示が楽しめる。

中級編?

イタリア絵画の勉強を特にした訳では無いが、それでも聴いた事が有るような巨匠の絵が並ぶカポディモンテ美術館は、絵画散策としては初心者には、やや難しい中級編の様な気がする。ナポリの街の持つ強烈なイメージと、街の中心街を外れた離宮に作られた博物館は、なかなか観光ルートには入りにくいようである。しかし、その建物の堅牢さと共に、重量級の展示物はウフィッツィにも劣らない凄さを感じさせられた。

幸い、未だ滞在期間が5ヶ月ほど残っているので、もう何回か訪れて、更に勉強を重ねてみたい。

(2006年9月24日来訪時の記録)