熊吉
源之助については東海大学の石山禎一先生(1976年)は「鳥獣剥製をさせたのではないだろうか」と記されていますが、ライデン市にあるオランダ国立自然史博物館が所蔵している膨大な動物の標本を調査されている熊本大学の山口隆男教授((1997年)によると、シーボルトの動物関係のコレクション中には源之助や熊吉の名前のついた標本はない、とのことです。 「亥x月y日」あるいは「亥A月B日 熊吉」と墨筆された小さな短冊形のタグが添えられた標本がある。それらの各標本を見ると、台紙の右下に貼付されたラベルに、記されていない場合もありますが、多くの標本の採集者名がSieboldと記されています。 このことからタグが添えられたこれらの標本はシーボルトが個人的に雇った少年熊吉が亥年つまり1827年にシーボルトに命じられて作成した標本であると考えられます。 熊吉作成と考えられる標本が牧野標本館には14点ありますが、オランダ国立植物標本館が所蔵しているシーボルトコレクション中に31点(顕花植物24点、シダ植物5点)、東京大学総合博物館に1 点あります。 =>熊吉の標本索引 |
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